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2009年6月10日 (水)

リングスポット

セントポーリアを育てる上で、発生しやすい生理障害に「リングスポット」というものがあります。

「リングスポット」とは、セントポーリアの葉に、生じる黄色~褐色の不定形な斑点の事で、この斑点が生じたからといって、病気でもなければ、株が枯れたりする訳ではありません。しかしながら、ショープランツや美しい株を目指して育てている愛好家にとって、「リングスポット」の出来た葉は、気になってしょうがない存在なのです。株を手に取るたびに、早く下葉になって摘葉の時期が来ないかと願うのと同時に、過去の潅水を悔やむ事になるのです。

愛好家とは、当然筆者も含むのですが、「よりによって、なんでこの葉にリングスポットが・・・」と、その葉を見るたびに悔やむものです。

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上の写真の赤丸で囲んだ黄褐色のシミのようなものが、「リングスポット」です。

患部のクローズアップです。

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この「リングスポット」の出来る原因は、株の周囲の温度より、冷たかったり暖かかったりと、温度差がある水が葉に触れる事により生じると、セントポーリアブームのあった1970年代より、実験がくり返され報告されて来た。

これらの先達の実験により、潅水は栽培場所の室温か、室温よりやや高い温度(+5℃)の水を用いる事とされてきた訳である。

「なるほど、そうか!」、「温度差が悪かったのか!」と、愛好家は潅水用の水を栽培場所に汲み置き、室温と同じになった水を潅水する訳ですが、以前より数が減るもののポツン、ポツンと「リングスポット」の出た株を再び目にしたものでした。

「あぁ・・・いつの潅水が悪かったのか?」、「手を抜いた日があったっか?」と、再び悔やむのですが、原因が解らないのです。たまに「リングスポット」付きの株が生じるのを半ば諦め26年が経過して、筆者は下の文献にめぐり合うことと成るのです。

「セントポーリアにおける摘葉による低温障害の感受性増大(梁 修静・北村嘉邦・細川宗孝・矢澤 進.),2004年」

この文献は、下記のホームページで見ることができるので、興味を持たれた方は、ご覧ください。

京都大学大学院農学研究科農学専攻蔬菜花卉園芸学研究室

http://www.hort.kais.kyoto-u.ac.jp/index.html

この文献より解ることは、摘葉等により外傷を負ったセントポーリアは、株が興奮状態にあり、低温障害を受けやすいという実験結果です。

また、その興奮は、30分程で治まるという事が報告されています。

筆者は、セントポーリアに潅水する前に、下葉や痛んだ花柄を取ることがあります。おそらく、興奮状態にある時に、潅水して葉に残った水が乾燥するときに葉から、熱が奪われて「リングスポット」が生じていたのであろうと考えられます。

もっと、ひどい刺激は、植え替えした後、すぐに潅水していた。この行為も、株を興奮させることでしょう。

上記の文献を知ってから、筆者は、セントポーリアの葉を摘んだり、植え替えをした後、30分放置した後、潅水するようにしています。それからというもの筆者の棚から、「リングスポット」を生じる株は、ゼロではありませんか、かなり少なくなりました。

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